- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
●心室(V)は内腔(C)と壁(W)から構成され,心室内腔(VC)は流入路(IT)と流出路(OT),心室壁(VW)は中隔壁(SW)と自由壁(FW)からなる。SWとFWのSW–FW構造境界(線)は,右室(RV)でのみ「前・後ヒンジ(線)部」として認識可能であるが,左室(LV)では認識不可能である。
●心室(V)には,流入路(IT)と流出路(OT)を分ける構造的,機能的な境界が存在する。
●LVには,構造的に左室流入路(LVIT)と左室流出路(LVOT)を分ける境界(Mゲート)が存在し,機能的に同ゲートでLV内血流は方向転換する。
●左室中隔壁(LVSW)は左室流入路中隔壁(LVITSW)と左室流出路中隔壁(LVOTSW)で,右室中隔壁(RVSW)は右室流入路中隔壁(RVITSW)と右室流出路中隔壁(RVOTSW)で構成されている。LVITSWとRVITSW,LVOTSWとRVOTSWは表裏の関係で向かい合って位置し,LVSWとRVSWの辺縁は一致している。
●LV内腔におけるSW–FW構造境界線は,対側に位置するRVのそれをイメージすることによって推測が可能である。
●大動脈弁右冠尖(RCC)と左冠尖(LCC)交連部直下がLVのSW–FW構造境界,言い換えれば,LVのSW辺縁端点となっている。
●大動脈弁右冠尖弁輪(AoVARCC)直下・その下方はLVOTSWであり,RV側ではRVOTSWにあたる。
●大動脈弁無冠尖弁輪(AoVANCC)前半部直下は膜性中隔(MS),その下方はLVOTSWである。後半部直下はaortomitral fibrous continuity(AMFC),その下方は僧帽弁前尖(AML)である。
●大動脈弁左冠尖弁輪(AoVALCC)前半部直下・その下方はLVOTFW,その後半部直下・その下方はAMFC,AMLである。
●RV心尖部領域がRVITに含まれるのに対し,LV心尖部領域はLVOTに含まれる。
●LVOT–大動脈基部(AoR)–上行大動脈(AAo)内腔の構造軸は,RVOT–肺動脈幹(PT)–右肺動脈(RPA)内腔のそれと絡み合い,らせん構造を呈している。
Copyright © 2023, MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.