連載 心臓の解剖【知っておきたい知識 -疾患の病態生理から治療へつなげる解剖学-】
第24回
心臓動脈系構造の基本と疾患
井川 修
1
1日本医科大学付属病院/セントマーガレット病院 循環器内科
pp.698-709
発行日 2023年7月9日
Published Date 2023/7/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000001285
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●構造的に心臓の動脈は,①心筋外の動脈(冠動脈)と②心筋内の動脈に分けて考える。
●冠静脈(CV)は心外膜直下に位置するが,冠動脈(CA)は心筋に近い心外膜脂肪組織(EAT)内を走行する。
●主要CAは構造境界の脂肪組織内を走行する。
●左/右冠動脈(LCA/RCA)は入口部から起始した直後の方向と,その後の方向は異なっている。
●左冠動脈前下行枝(LAD)と(左)右冠動脈後下行枝(L)RPDの走行は,滑らかな「らせん状」を呈している。
●左冠動脈主幹部(LMT)-LADとRCAの位置関係は,上方(あるいは下方)からみて「かざぐるま様構造」を呈している。
●心臓の動脈からの心筋への血液供給は主に拡張期になされる。
●CAの形状・走行を正確に把握するためには,心室内にある境界の構造特性を理解することが必要である。
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