連載 心臓の解剖【知っておきたい知識 -疾患の病態生理から治療へつなげる解剖学-】
第17回
大動脈弁構造の基本
井川 修
1
1日本医科大学付属病院/セントマーガレット病院 循環器内科
pp.926-937
発行日 2022年9月9日
Published Date 2022/9/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000001024
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●大動脈弁(AoV)は弁尖,弁輪,大動脈洞(Valsalva洞)に3つのリング(STJ,VAJ,BR)を加え,AoVシステムとしてその構造を考える。
●大動脈弁弁輪(AoVA)とは,3つのAoV弁尖が付着する強固な王冠状の線維組織である。
●AoVAは線維性心臓骨格(FCS)の一画を構成する。
●AoVAの支持組織は,筋肉組織で支持されている領域(muscular portion)と,線維組織で支持されている領域(fibrous portion)から構成されている。
●大動脈洞(Valsalva洞)内に,心筋は右大動脈洞(RAS)内および左大動脈洞(LAS)内前半部で認められるものの,LAS内後半部および無冠大動脈洞(NAS)内には認められない。
●AoVA支持組織は,3つすべてで同じ様相を呈する肺動脈弁弁輪(PVA)の支持組織に対し,AoVAでは3つすべてで異なった様相を呈している。
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