特集 心不全治療のアップデート
治す11
神経体液性因子抑制の新しい展開 -ARNIおよび新世代MRA-
桑原 宏一郎
1
1信州大学医学部循環器内科学
キーワード:
慢性心不全
,
神経体液性因子
,
ARNI
,
MRA
Keyword:
慢性心不全
,
神経体液性因子
,
ARNI
,
MRA
pp.68-74
発行日 2022年1月9日
Published Date 2022/1/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000811
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従来,左室駆出率の低下した心不全(HFrEF)に対しては,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬あるいは認容性がなければアンジオテンシンⅡ受容体遮断薬(ARB),β遮断薬,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)の3クラスの薬剤がその予後改善効果から使用が推奨され,慢性心不全治療におけるこれら神経体液性因子の過剰な活性化抑制の重要性が認識されてきた。近年,神経体液性因子に対する新規作用機序を有する心不全治療薬として,アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI;サクビトリルバルサルタン)の有用性が示された。加えて,従来より慢性心不全に使用されてきたMRAに関しても新世代のMRA開発が進んでいる。本稿では,心不全治療におけるこれら神経体液性因子阻害の新しい展開について概説する。
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