3．悪寒戦慄を伴う発熱と胸痛を主訴に受診した30歳代，女性

患者 30 歳代，女性。　　主訴 発熱。　　現病歴 3 日前に38℃台の発熱が出現。近医にてCOVID-19 のPCR 検査は陰性であった。2 日前に頭痛が出現し，近医で頭部CT を撮影したが，問題なかった。偏頭痛を疑われアセトアミノフェンを処方された。発熱が持続したため近医を再度受診し，胸部CT で肺炎像あり，COVID-19 PCRの再検も陰性であった。布団をかぶってもガタガタ震えてしまう，悪寒戦慄のエピソードあり。今朝になり，呼吸困難も出現したため救急車で来院。　　Review of systems　　陰性所見 鼻汁，咳嗽，下痢，味覚障害，嗅覚障害，筋肉痛，関節痛，皮疹，う歯　　陽性所見 発熱，右胸痛（吸気時）　　仕事 歯科助手　　既往歴 VSD 膜様部の小欠損（無治療で他院で経過観察中）内服薬なし，アレルギーなし，喫煙歴なし。吸入曝露歴なし。　　バイタルサイン 体温38.5℃，脈拍112回/分，SpO2 99％ , 呼吸数18 回/分，血圧120/60mmHg　　身体所見 頸静脈怒張なし。胸部副雑音なし。左第4 肋間胸骨左縁で収縮期雑音あり。過剰心音なし。Ⅱｐ音亢進なし。眼底にはRoth 班なし。爪の異常所見なし。　　末梢血検査所見 WBC 8100，Hb 12.2，Plt 34.7 万，BUN 8.6，Crea 0.53， フェリチン252ng/mL，プロカルシトニン1.08ng/mL，エンドトキシン陰性，β -D-glucan 陰性。