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第22回
拡散係数の有用性を導き出した意義
齋藤 和博
1
1東京医科大学 放射線医学分野
pp.654-655
発行日 2024年5月26日
Published Date 2024/5/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001705
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肝腫瘍精査目的のため1.5TのMRI装置で,echo planar法を用いた拡散強調像を撮像し腹部臓器,肝腫瘍の真の拡散係数(true diffusion coefficient;D)を調べることを目的とした論文である。4つのb値(30,300,900,1,100)を呼吸停止下で撮像し,intravoxel incoherent motion(IVIM)理論からD,偽拡散係数(pseudo diffusion coefficient;D*),灌流の割合(perfusion fraction;f),そしてみかけの拡散係数(apparent diffusion coefficient;ADC)値を算出した。これら画像の解析から,腹部臓器および肝腫瘤性病変のADC値が灌流の影響を受けていることを明らかにした。また,D,fが肝腫瘤の鑑別に役立つことを示した。
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