Japanese
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特集 糖尿病の治療―見て,見つめて,見つめなおす
Ⅱ運動療法
運動療法の意義と有用性
Effects of exercise-training on diabetes
押田 芳治
1,2
1名古屋大学 総合保健体育科学センター
2名古屋大学医学系研究科健康増進医学講座健康・スポーツ医学分野(協力講座)
キーワード:
①インスリン感受性
,
②インスリンシグナル系
,
③有酸素運動
,
④無酸素運動
,
⑤レジスタンス運動
Keyword:
①インスリン感受性
,
②インスリンシグナル系
,
③有酸素運動
,
④無酸素運動
,
⑤レジスタンス運動
pp.481-487
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101229
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Pros
・運動療法は主要な病態の一つであるインスリン抵抗性の改善をはかることで,過度なインスリン分泌や投薬量を抑えることができる.
・有酸素運動によるインスリン抵抗性の改善機構は,インスリンシグナル系の各種蛋白量の増大や活性化能の増加に由来する.
・無酸素運動は筋肉量を増やすことで,生体全体としてインスリン感受性の上昇をもたらす.したがって,有酸素運動のみで効果が十分得られない場合は,力みを伴わないレジスタンス運動の併用も考慮に値する.
Cons
・高血糖(空腹時250mg/dL以上)や重篤な合併症を有する場合,運動療法によって血糖コントロールのみならず合併症が一層悪化することがある.
・筋力トレーニングの際,思わず力んで行うと心血管系疾患の誘発や眼底出血を招くことがある.
・体調が異なる時に運動を行うと種々の事故に遭遇することがある.
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