特集1 絶対苦手分野にしない 鼻副鼻腔病変の画像診断
[鼻副鼻腔CT・MRIレポート−私はこう書いている−]
そのほかの重要疾患
-血瘤腫
荻野 展広
1
,
尾尻 博也
1
1東京慈恵会医科大学 放射線医学講座
キーワード:
血瘤腫(blutheule/organized hematoma)
,
膨張性辺縁(pushing border)
,
浸潤性辺縁(invasive border)
Keyword:
血瘤腫(blutheule/organized hematoma)
,
膨張性辺縁(pushing border)
,
浸潤性辺縁(invasive border)
pp.312-315
発行日 2023年3月26日
Published Date 2023/3/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001206
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・比較的まれな上顎洞の非腫瘍性腫瘤性病変である。
・病理学的には血腫,線維化,血管新生などを含むが,腫瘍成分は認められない。
・病因は明らかでなく,外傷,手術,副鼻腔の出血性病変,さまざまな出血性素因などを基にした反復する出血と線維化,壊死,硝子化などとともに血管新生が生じ,膨張性腫瘤が形成したものと考えられている。
・臨床診断名であり,病理診断名ではない。
・慢性の鼻閉,鼻出血を呈する。
・発症年齢は幅広く,20~40歳代にも生じる。半数以上で鼻出血がみられ,男性に多い。膨張性発育による骨侵食と易出血性などから臨床上,画像上,悪性腫瘍との鑑別がときに問題となる。
・治療は鼻内アプローチによる内視鏡手術を中心とした全摘出が基本となり,術前塞栓は通常必要としない。
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