特集1 絶対苦手分野にしない 鼻副鼻腔病変の画像診断
[鼻副鼻腔CT・MRIレポート−私はこう書いている−]
良性腫瘍
-化膿性肉芽腫
髙井 由希子
1
,
加藤 博基
1
,
松尾 政之
1
1岐阜大学医学部 放射線科
キーワード:
血管腫(hemangioma)
,
化膿性肉芽腫(pyogenic granuloma)
Keyword:
血管腫(hemangioma)
,
化膿性肉芽腫(pyogenic granuloma)
pp.288-291
発行日 2023年3月26日
Published Date 2023/3/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001199
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・従来は“血管奇形”という概念が存在せず,血管性病変は“血管腫”と総称されていたが,生物学的特徴が異なる病態が混在していた。
・血管腫はISSVA分類(International Society for the Study of Vascular Anomalies classification)で,血管内皮細胞を由来とする良性腫瘍と定義され,infantile hemangioma,congenital hemangioma,tufted angioma,spindle–cell hemangioma,epithelioid hemangioma,pyogenic granulomaなどに分類された。
・鼻腔に発生する血管腫の多くは化膿性肉芽腫(pyogenic granuloma)であるため,本稿では化膿性肉芽腫について解説する。
・化膿性肉芽腫は小葉状毛細血管腫(lobular capillary hemangioma)と同義である。当初は細菌感染の関与が疑われ,「化膿性」という名称が今日まで用いられてきたが,本態は種々の刺激(感染,外傷,妊娠,経口避妊薬など)に対する反応性の毛細血管増殖である。また妊娠中に発生しやすいことから“pregnancy tumor”ともよばれる。
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