特集1 絶対苦手分野にしない 鼻副鼻腔病変の画像診断
[鼻副鼻腔CT・MRIレポート−私はこう書いている−]
副鼻腔炎
-慢性化膿性副鼻腔炎
齋藤 尚子
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院 放射線診断学講座
キーワード:
慢性副鼻腔炎(chronic sinusitis)
,
CT
,
MRI
Keyword:
慢性副鼻腔炎(chronic sinusitis)
,
CT
,
MRI
pp.258-261
発行日 2023年3月26日
Published Date 2023/3/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001192
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・慢性副鼻腔炎は12週以上持続する炎症と定義されている。急性副鼻腔炎は発症4週以内で,亜急性副鼻腔炎は発症4〜12週以内で症状が消失するものをいう。
・慢性副鼻腔炎の原因には細菌性(慢性化膿性副鼻腔炎),ウイルス性,アレルギー性,好酸球性,真菌性,歯性上顎洞炎がある。
・急性副鼻腔炎の原因菌は黄色ブドウ球菌やインフルエンザ菌が多いが,慢性化膿性副鼻腔炎の原因菌は黄色ブドウ球菌,インフルエンザ菌,グラム陰性菌,A群連鎖球菌,肺炎球菌などさまざまで重複感染が多い。
・症状は,鼻閉,鼻漏,後鼻漏,咳嗽,嗅覚障害,頭痛などがある。両側性が多い。
・慢性副鼻腔炎に鼻茸(鼻ポリープ)を伴うものがある。
・単純CTが第一選択の検査法で,骨の評価に優れている。MRIは眼窩や頭蓋内など,副鼻腔外への炎症波及の評価に有用である。
・治療法は薬物治療,鼻処置と局所療法,手術がある。手術の適応は保存的治療に抵抗するもの,洞口鼻道(ostiomeatal unit;OMU)に高度な鼻茸を認めるものなどがある。手術には鼻茸切除術,内視鏡下鼻内副鼻腔手術(endoscopic sinus surgery;ESS)などがある。
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