連載 何としても読んでもらいたい あの論文,この論文
第6回
美しく居心地のよい心臓画像の論文
天野 康雄
1
1日本大学病院 放射線科
pp.114-115
発行日 2023年1月26日
Published Date 2023/1/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000001155
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心臓MRIの検査で頻用されている遅延造影像(late gadolinium enhancement imaging:LGE imaging)は,心筋障害に伴って拡大した間質を明瞭に描出する。心筋内におけるLGEの分布や広がりは,いろいろな心筋症の心筋線維化や壊死,アミロイド沈着,炎症の分布や病理組織的な特徴と相関している。この特長により,LGE imagingは心筋症の診断に有用である。またLGE imagingは心筋症の予後の予測にも有用である。LGE imagingの欠点はびまん性の心筋障害や軽度の心筋変性を描出できないこと,心筋障害の定量的評価ができないことであるが,T1 mappingの開発がこの欠点を補っている。本論文では肥大型心筋症,拡張型心筋症,心サルコイドーシスなどの心臓MRI,主にLGE imagingと剖検や移植手術で得られた病理組織像との関連性を解説する。
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