特集 よい論文とは? おもしろい論文とは?
よい論文は未来をデザインする
落合 亮太
1
1横浜市立大学学術院医学群医学研究科看護学専攻
pp.462-465
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201290
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よい論文は未来をデザインする
私は,よい論文とは「未来をデザインする」ものだと思う。臨床レベルでは,「意思決定を行なう際の参考となる」論文と言い換えてもよいだろう。治療AとBのどちらを選択すべきか,目の前の患者さんにどのように接すればよいか,これからの医療の提供体制はどうあるべきかなど,臨床現場にはさまざまな意思決定場面がある。判断の岐路に立たされたとき,参考にできる論文がよい論文である。では,具体的にどのような条件を満たせば,意思決定を行なう際の参考となりえるだろうか(表1)。
第一に重要な条件は,行なおうとしている意思決定(未来のデザイン)が,当事者に及ぼす影響が大きいことである。取るに足らない意思決定に関して,長々と論文で述べても意味はない。「私が今日髪を切るべきかどうか」よりも,「東京オリンピック終了後の東京都の地下下落を想定して個人の資産運用をどうすべきか」を取り上げたほうが,多くの人にとって有意義であろう。
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