特集 よい論文とは? おもしろい論文とは?
【座談会】よい論文とは? おもしろい論文とは?
山本 則子
1,2
,
小松 浩子
3,4
,
秋元 典子
5,6
,
グレッグ 美鈴
7,8
1東京大学大学院医学系研究科
2『日本看護科学学会誌』編集委員会
3慶應義塾大学看護医療学部
4日本がん看護学会
5岡山大学大学院保健学研究科
6『日本看護学教育学会誌』編集委員会
7神戸市看護大学
8Japan Journal of Nursing Science(JJNS)編集委員会
pp.447-457
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201288
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よい論文を考える前提
山本 私は『日本看護科学学会誌』の編集委員長になって以来,看護学にとってよい研究やおもしろい研究というのはどういうものかと,以前にも増して考えるようになりました。数多くの論文を見る中で,看護学における研究活動の意義・目的を改めて考えさせられるようになったからかもしれません。看護学はこれからどのような方向に向かうべきかを,私たちはいま一度しっかり考える機会をもつ必要があると感じています。
大学院が増えたことで,論文執筆の作法を学び,科学的な研究手法への理解やそうした手法を習得された方が増えていると思います。それに比例して投稿論文も増えている状況ですが,その状況と連動して看護実践が変わってきているのかと考えると,現場と研究者の間の距離はいまなお縮まっていないのではという疑問を抱きます。実践の学としての看護学を創る看護研究が,今後一層実践に役立ち,社会に貢献するものとなるためには,考えるべきことがあるのではないかと思います。
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