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[第4回]
多発性硬化症のMRI診断精度の向上のために:類縁疾患との鑑別を含めて
土屋 一洋
1
1JR東京総合病院 放射線科
pp.1374-1375
発行日 2021年11月26日
Published Date 2021/11/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000000778
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欧米の計17名の多発性硬化症(multiple sclerosis;MS) の神経放射線や神経学のエキスパートの共同執筆による総説で,MSのMRI診断の実用的なガイドを目指したものである。多くの症例はMSとして合致し,診断上大きな問題のない所見を示す。しかし非典型例が存在すること,MRIの診断基準の不適切な適用に起因し誤診される症例も少なからずあること,近縁疾患として視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorder;NMOSD)やSusac症候群などが独立した疾患として扱われるようになったことなどがあり,この論文ではMSの特徴的MRI所見の詳細な記述や多くの症例の画像による示説を行い,特にMS以外の疾患でみられる“red flag”的所見の記載に力点をおいてまとめている。
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