特集 ホスピタリストのための画像診断—②脳脊髄編
Part 3 各論(非血管性・非外傷性)
11.脱髄性疾患—多発性硬化症(MS)や類縁疾患の初期診断のポイント
横田 元
1
Hajime YOKOTA
1
1千葉大学大学院医学研究院 画像診断・放射線腫瘍学
pp.499-507
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103901053
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病理学的に脱髄をきたす疾患は,自己免疫,中毒,放射線照射,感染,遺伝性,加齢とさまざまな病態でも認められるが,本稿では多発性硬化症(MS*1)とその類縁疾患について述べる。
脳・脊髄に脱髄を起こす疾患としては,MSがまず見いだされ,病態理解が進むにつれ,視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD*2),抗MOG*3抗体関連疾患(MOGAD)が別疾患として独立した。MSは特異的なバイオマーカーがないため,主に臨床経過とMRIで診断を行う。そのため,MRIで似た所見を呈するさまざまな疾患が鑑別に挙がる。
本稿では,典型的な画像とその鑑別疾患を提示し,画像での鑑別ポイントを述べる。なお,脱髄性疾患においてMRIは病勢評価,治療効果判定や疾患修飾薬の合併症検出といった目的でも使用されるが,今回は初期診断に絞って記載する。
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