特集2 主治医が求める読影レポートの書き方
読影レポートの書き方−自由文記載形式と構造化記載形式−
山田 哲
1
1信州大学医学部 画像医学教室
pp.100-105
発行日 2021年1月26日
Published Date 2021/1/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000000530
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現在までに,「よい」読影レポートの書き方についての普遍的な定義は存在しない。これは,読影レポートが果たす主たる役割が,画像診断における患者・主治医・読影医を結ぶコミュニケーション・ツールであることから,主治医に求められる読影レポートも依頼内容,施設の特徴,文化・社会的背景,言語の特徴によって大きく異なり,それぞれの状況に応じて最適化されていくべきものであるからである。しかしながら,効果的なコミュニケーション・ツールとしての役割を果たすために必要な読影レポートの書き方の基本があることに異論はないであろう。さらに従来からのコミュニケーション・ツールとしての役割に加え,多施設共同研究や機械処理における情報源としての読影レポートの役割が重要視されるにつれ,読影レポートの書き方の標準化が望まれるようになってきている。構造化レポート(structured report;SR)は読影レポートの書き方の標準化に向けた手法の1つであり,近年の人工知能研究への応用可能性から,欧米を中心に急速な広がりをみせている。本稿では,自由文記載による読影レポートと,構造化読影レポートそれぞれの利点と欠点について,実際のレポートの書き方に基づきながら解説していく。
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