特集2 主治医が求める読影レポートの書き方
私が考えるよいレポート①−放射線診断研修医のためのレポート作成に関する提言−
南 学
1
1筑波大学附属病院 放射線診断・IVR科
pp.106-110
発行日 2021年1月26日
Published Date 2021/1/26
DOI https://doi.org/10.18885/CI.0000000531
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今回,よい読影レポートについて考える機会をいただき,色々思いを巡らせてみたが,その定義が非常に難しいことを改めて感じた。というのも,仮に理想的とされるレポートを提案したとしても,それを書くために1症例につき多くの時間を割くとすると,それ自体,実際の診療現場の状況にそぐわないからである。実臨床では,機器の進歩と多様な撮像技術の発展,依頼医側の診療の多忙さ,そして画像管理加算による締め付けなどにより,毎日次々と多くの画像検査がなされ,症例当たりの画像枚数は日々増加し,できる限り早く読影レポートを作成することが要求されている。一方,わが国の画像診断医数は諸外国ほど多くはなく,結果的に毎日,読影レポート作成にわれわれの精力の大半を費やし件数をこなす形となり,次世代に最低限必要な画像レポートの書き方,その際の注意点などを伝えることも難しくなってきている。従って本稿では,現在トレーニング中の医師に対し画像レポートには最低限これだけは含んでほしい,できればこうあってほしいという提案ができればと考える。専門医資格取得後は,個々人の考え方とその臨床現場の多忙さ,その病院におけるコミュニケーションの機会(カンファレンスを含む)の多寡,依頼医の専門性などに応じて,レポートの書き方に個人差が生じることは日本の現況ではやむをえないと考える。また専門領域以外は研修期間中に書いた内容を最大限として,その分量が簡略化されていくことも仕方がないであろう。
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