内科専門医を志す人に・私のプロトコール
従来形式編・その1
石村 孝夫
1
,
田辺 等
2
1虎の門病院内科
2虎の門病院神経内科
pp.1311-1314
発行日 1977年9月10日
Published Date 1977/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207373
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■従来形式による記載
"従来形式"とはいっても,プロトコールの記載方法にPOSのような確立された一定の方式が今までに存在したわけではない.ほとんどの場合,各自がそれなりの方法で記載していたわけで,Problem List, AssessmentやPlanをとくに強調しない,すなわち問題指向型ではないものが多かったといえよう.それゆえ,次回,患者が外来にきたときや,担当医が急に変わった場合など,その患者がどうして入院していたのか,今後どういう方針で治療していくのか,しばしば困ることがある.
従来形式における記載上のテクニックとしては,active problem別の"縦割り"整理をしないところがPOSとの大きな相違点といえよう,したがって記述にあたっては,一人の患者を初めから順を追って述べていくこととなるわけで,前回でも触れたように,病気全体の流れの把握をしなければならない退院時要約としては,POSよりむしろすぐれている点もあるわけである.それゆえ,従来形式を工夫して問題指向型の要素をとり入れるなら,その欠点を十分カバーできうると考える.
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