Japanese
English
経験と考察
サルベージ手術としての腰仙椎固定術におけるsacral alar-iliac screwの有用性
Usefulness of sacral alar-iliac screw for lumbosacral spinal fusion as salvage operation
梅藤 千秋
1
C. Baito
1
1梅藤整形外科クリニック
1Baito Orthopedic Clinic, Asahikawa
キーワード:
salvage operation
,
sacral alar-iliac screw
,
lumbosacral spinal fusion
Keyword:
salvage operation
,
sacral alar-iliac screw
,
lumbosacral spinal fusion
pp.1081-1087
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_1081
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は じ め に
Sacral alar-iliac screw(SAIS)は,2007年にSponsellerら1,2)により32例の小児患者に行われたのが最初で,後に成人脊柱変形における腰仙椎固定術後の偽関節率を改善させる目的で,2009年にKebaishらによりSAISを用いた術式が報告された3).その後,簡便さと強固な固定性により,その有用性が多く報告されている4,5).また,腰椎疾患に対する後方経路腰椎椎体間固定術(PLIF)または後側方固定術(PLF)後の術後合併症による再手術は多椎間に及ぶことが多く,さらに脊椎椎骨の脆弱性に起因するものが多い.さらには,腰仙椎固定を要することが多いため,固定性を海綿骨主体としたS1スクリューに委ねるには,さらなる弛みをきたす可能性が高いと思われる.SAISは挿入およびロッドとの連結も容易で,設置されているロッドに延長する場合はコネクターを使用し,ロッドを入れ替える場合はコネクターは必要がなく,サルベージ手術には簡便で有用な方法である.
本研究では,透視を使わないフリーハンドによるSAISを用いたサルベージ手術としての腰仙椎固定術の骨癒合,合併症,術後成績について報告する.

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