Japanese
English
連載 専門医のための症例問題トレーニング
肩甲帯・肩・肘関節疾患
Shoulder and elbow disease
佐藤 哲也
1
T. Sato
1
1同愛記念病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., The Fraternity Memorial Hospital, Tokyo
キーワード:
osteochondritis dissecans
,
humeral capitellum
,
sports injury
Keyword:
osteochondritis dissecans
,
humeral capitellum
,
sports injury
pp.1047-1053
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_1047
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症 例.13歳,男.右利き.
主 訴:左肘痛.
現病歴:小学1年生から剣道を始め,中学校の剣道部および地域の剣友会に所属し,発症前は週6日という高頻度で稽古に取り組んでいた.当科受診3ヵ月前より左肘外側に違和感を覚え,稽古後には持続する疼痛を自覚するようになった.その後,肘関節の完全伸展が困難となった.明確な外傷契機は認められなかった.近医整形外科で安静の指示を受けたが症状は改善せず,剣道の継続が困難となったため,当科に紹介され受診した.
身体所見:肘関節に明らかな腫脹や皮下出血といった外傷性の所見は認められなかったが,肘後外側関節裂隙部に限局した圧痛を認めた.関節可動域は伸展-10°,屈曲120°で,健側と比較して明らかな伸展制限があった(図1).他動的な屈伸動作で疼痛が誘発され,動作時にはクリックも触知された.肘外反ストレステストで疼痛が誘発された.末梢の手指にしびれや感覚障害は認められなかった.
画像所見:初診時の単純X線像(図2),MRI(図3),CT(図4)を示す.

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