Japanese
English
論述
上腕骨小頭骨折の治療経験
Fractures of the Humeral Capitellum
西島 雄一郎
1
,
山崎 安朗
1
,
東田 紀彦
1
Yuichiro Nishijima
1
1金沢医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopedic Surgery, Kanazawa Medical University
キーワード:
骨折
,
fracture
,
上腕骨小頭
,
humeral capitellum
,
観血的整復術
,
open reduction
Keyword:
骨折
,
fracture
,
上腕骨小頭
,
humeral capitellum
,
観血的整復術
,
open reduction
pp.577-583
発行日 1986年5月25日
Published Date 1986/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907415
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抄録:上腕骨小頭骨折を8例経験した.年齢は15〜89歳で,骨端線閉鎖後の青年および老年である.Granthamの分類で骨折型を分類すると,Type Iはなく,Type II A 6例,Type III B 2例であった.Type III Bの1例を除いて全例,fat pad sign陽性であった.治療は転位のきわめて軽度な1例を除いて,7例に観血的整復固定術を行った.固定材料はKirschner鋼線か,AO microscrewである.直接検診6例,電話での質問2例で,予後を追跡した.予後追跡期間は最短1年から最長,5年3ヵ月である.予後調査時,肘関節痛はないか,あっても軽度で,関節可動域は軽度の伸展障害を残すものの,著しい制限を示す例はなかった.予後成績は優3例,良5例でありほぼ満足すべき結果を得た.本症の診断にはfat pad signは有用である.治療について,一部で,骨片の摘出術が推奨されているが,観血的整復固定術でも良好な予後が得られた.
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