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【要 旨】
目 的:前十字靱帯(ACL)再建術においてグラフト径は0.5mm刻みで作成される.本研究の目的はグラフト径ごとのfailure rateを推定することである.ハムストリングス腱(HT)グラフト径が0.5mm太くなると,failure rateは有意に低下するという仮説を立てた.
対象および方法:PRISMA(preferred reporting items for systematic reviews and meta-analyses)ガイドラインに従い,2021年12月1日までに公表された研究を主要データベース(PubMed,EMBASE,Cochrane Library,Web of Science)で調査した.組み入れ基準は自家HTグラフトでの一重束再建術後>1年の経過観察があり,グラフト径0.5mmごとのfailure rateの記載がある研究とした.メタ解析にはPoisson分布モデルを仮定した線形混合効果モデルを用いた.
結 果:5研究/19,333例が解析対象となった.メタ解析の結果,グラフト径の係数の推定値は-0.2357[95%信頼区間(CI):-0.2743~0.1971,p<0.0001]であった.すなわち,径が1.0mm増加するとfailure rateは0.79(0.76~0.82)倍に,1.0mm減少すると1.27(1.22~1.32)倍になった.径<7.0mm~>9.0mmのfailure rateは径が0.5mm増加すると3.63%から1.79%に有意に低下した.
結 論:Failureは多因子に影響されるが,解剖学的スペースにマッチさせたグラフト径の増加は,外科医ができる有効な手段となりうる.
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