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【要 旨】
目 的:解剖学的前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)再建術における脛骨骨孔の位置と術後成績の関連を調査することである.
対象および方法:解剖学的二重束ACL再建術を受けた132例を対象とした.術後1年のKT-1000での患健側差(mm)とpivot shift testの有無を確認し,患健側差が2mm以上の場合を前方不安定性(anterior knee laxity:AKL)陽性,pivot shift testが陽性の場合を前外側不安定性(anterolateral knee laxity:ALKL)陽性と定義した.術後1週間以内に施行した3D-CTから脛骨骨孔の位置をQuadrant法で定義した.脛骨内側と外側の後顆および関節面の前縁・内側縁・外側縁に接するグリッドから,グリッドの前後幅(AP)と内外側幅(ML)に対して,グリッド前縁からの骨孔の距離(APt)と内側縁からの骨孔の距離(MLt)を計測し,APt/APとMLt/MLを脛骨骨孔のポジションとして定義した.さらにACL前縁の骨性隆起(Parsons’ knob)から距離(DPK)と脛骨内側顆間隆起からの距離(DMS)を計測し,DPK/AP,DMS/MLと定義した.
結 果:術後1年の評価で21例(15.9%)がAKL陽性で,15例(11.4%)がALKL陽性であった.AKLおよびALKL陽性の対象群は,陰性の対象群と比較してDMS/MLが高値であった.ロジスティック回帰分析から,DMS/MLはAKL陽性(回帰係数0.608,オッズ比1.84,p<0.001)とALKL陽性(回帰係数0.789,オッズ比2.20,p<0.001)と関連していた.
結 論:解剖学的二重束ACL再建術を受けた対象において,脛骨側の骨孔位置が外側に設置されるほど,術後1年でAKLおよびALKLが残存するオッズ比が上昇していた.
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