Japanese
English
整形外科診療における最先端技術 Ⅲ.手術支援
1.ナビゲーション
Image-free navigationを利用した膝前十字靱帯再建時の膝安定性評価
Evaluation for knee stability in anterior cruciate ligament reconstruction using image-free navigation system
中前 敦雄
1
,
安達 伸生
1
A. Nakamae
1
,
N. Adachi
1
1広島大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Biomedical and Health Sciences, Hiroshima University, Hiroshima
キーワード:
ACL
,
navigation
,
knee stability
Keyword:
ACL
,
navigation
,
knee stability
pp.161-164
発行日 2019年4月25日
Published Date 2019/4/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei75_161
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は じ め に
膝前十字靱帯(ACL)損傷は80~90%がスポーツ活動中に発生し,スポーツ外傷の中でももっとも大きな問題の一つである.ACL損傷の場合,保存的治療により良好な機能を得るまで回復することはまれである.そのため,今後もスポーツ活動を行う例や日常生活で膝不安定感がある例,半月板損傷がある例では手術が必要になる.また活動性がまだ高い年齢層の場合,上記症状などがなくても今後の半月板損傷や膝関節不安定性の出現を抑制する観点などから手術がすすめられることも多い.
近年のACL再建術においては,1束再建の場合でも2重束再建の場合でも,大腿骨,脛骨の解剖学的な靱帯付着部に骨孔を作製することに主眼がおかれている.しかし,ACLに関する十分な知識と経験がないと,解剖学的に正しい位置に骨孔をコンスタントに作製することは困難である.この問題に対し,ACL再建においてナビゲーションシステムを使用する施設がみられるようになっている.ナビゲーションシステムは,術中に大腿骨と脛骨の骨孔位置情報を術者に画面で視覚的に,さらに距離などを数値として提供できるため,この器機の使用により正確な位置に骨孔を作製できるとされている1,2).
© Nankodo Co., Ltd., 2019