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脂質異常症は症候性後縦靱帯骨化症発症の新たな危険因子である
Dyslipidemia as a novel risk for the development of symptomatic ossification of the posterior longitudinal ligament
深田 翔太郎
1,2
,
遠藤 努
1,2
S. Fukada
1,2
,
T. Endo
1,2
1函館中央病院整形外科
2北海道大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Hakodate Central General Hospital, Hakodate
キーワード:
OPLL
,
symptomatic OPLL
,
dyslipidemia
,
visceral fat
Keyword:
OPLL
,
symptomatic OPLL
,
dyslipidemia
,
visceral fat
pp.1379-1384
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_1379
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【要 旨】
目 的:症候性後縦靱帯骨化症(OPLL)と脂質異常症の関連性について調査することである.
対象および方法:2020~2022年に当院に定期通院されたOPLL患者92例(OPLL群)と脊柱靱帯骨化を認めない健康診断受診者246例(対照群)を対象とした.脂質異常症を含むOPLL発症に関連する危険因子について多変量ロジスティック回帰分析を用いて評価した.
結 果:脂質異常症の割合はOPLL群で71.7%,対照群で35.4%であった.多変量ロジスティック回帰分析で脂質異常症はOPLLの発症と関連していた(標準化偏回帰係数0.40;95%信頼区間0.11~1.50).年齢,body mass index(BMI),糖尿病もOPLL発症の危険因子であった.
結 論:症候性OPLL患者は脂質異常症を高率に合併していること,脂質異常症がOPLL発症と関連していることが明らかとなった.内臓脂肪型肥満や脂質代謝異常がOPLL発症や増悪のメカニズムと関連していると考えられた.これらの知見は,原因がいまだはっきりしていないOPLLの発症機序の解明に役立ち,脂質代謝の制御によってOPLLを予防できる可能性を示唆する.
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