誌説
ロボット人工股関節手術をはじめるまでの歩みを振り返って
金治 有彦
1
1藤田医科大学整形外科機能再建学教授
pp.952-952
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_952
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2022年10月から藤田医科大学病院とばんたね病院に人工股関節置換手術支援ロボット「Rosa Hip」が導入された.「Rosa」は2007年にフランスで開発された神経外科領域・整形外科領域の手術支援ロボットで,すでに人工膝関節用の「Rosa Kneeシステム」が導入されていたが,このKneeシステムに加え,同じロボットに新たに人工股関節用の機能を追加したものが今回のRosa Hipシステムである.私が在籍するばんたね病院で昨年10月22日に50歳代・女性の患者さんに1例目の人工股関節全置換術(THA)を実施して以来,2023年6月現在,100関節以上の手術を行った.現時点では臨床成績はおおむね良好で,カップ外方傾斜角,前捻角の絶対誤差はそれぞれ0.9°,1.9°程度であり,初期施行例としては許容される設置角だと考えている.
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