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【要 旨】
目 的:内側楔状開大式高位脛骨骨切り術(OWHTO)は,術後膝蓋骨低位化を生じ,膝蓋大腿(PF)関節障害を惹起する可能性がある.筆者らは逆V字型高位脛骨骨切り術(iVHTO)を開発し,長期成績を報告してきた.本法は,矯正支点が下肢のcentre of rotation of angulation(CORA)に近接するため,小さな骨切除で大きな矯正が可能であるが,PF関節に与える影響は明らかではない.本稿では高位脛骨骨切り術(HTO)がPF関節および脛骨形態に与える影響について,OWHTOとiVHTOを比較する.
対象および方法:HTOを行った191例220膝を後ろ向きに調査した.OWHTOを行った107膝をOW群,iVHTOを行った113膝をiV群とし,術後3年以降に画像および臨床評価を行った.
結 果:OW群の術後Caton-Deschamps ratioは有意に低下したが(p<0.0001),iV群では有意な変化はなかった.OW群の術後脛骨後傾角は有意に増加したが(p<0.0001),iV群では変化がなかった.両群で脚長は有意に増加したが(p<0.0003),iV群の脛骨長に変化はなかった.PF関節に関して,iV群の術後lateral shift ratioは有意に低下したが(p=0.0012),OW群では差がなかった.iV群のtibial tubercle-trochlear groove distanceは有意に低下したが(p<0.0001),OW群では有意に増加した(p<0.0001).両群の日本整形外科学会膝疾患治療成績判定基準(JOAスコア)およびLysholmスコアは,術後有意に改善した(p<0.0001).
結 論:膝蓋骨高位,脛骨後傾角,脛骨長に関してiVHTOでは変化はなかったが,OWHTOでは有意に変化した.術前の内反およびPF関節症は,iV群で有意に進行していたが,iVHTOはPF関節適合性を変化させた.
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