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40歳以上女性の腰椎変性側弯における骨格筋量の経時的変化
A 2-year longitudinal study of skeletal muscle mass in women over 40 years of age with degenerative lumbar scoliosis
水谷 雅哉
1
M. Mizutani
1
1千葉大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduated School of Medicine, Chiba University, Chiba
キーワード:
degenerative lumbar scoliosis
,
longitudinal study
,
skeletal muscle mass
Keyword:
degenerative lumbar scoliosis
,
longitudinal study
,
skeletal muscle mass
pp.829-833
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_829
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【要 旨】
目 的:本研究では,腰椎変性側弯症(degenerative lumbar scoliosis:DLS)患者の骨格筋量・骨密度の経時的な変化について検討した.
対象および方法:当院外来を受診し,体組成および骨密度測定を行った40歳以上の女性1,596例[平均74(40~99)歳]のうち,1年以上経過しえた418例を対象とした.DLS群50例(平均76歳)と対照群368例(平均73歳)に分けて検討した.両群における脊椎アライメント,骨格筋量,骨密度,握力を検討し,両群において各項目に関する初診時から経過観察1年と2年における変化量を比較・検討した.
結 果:対照群と比較すると,DLS群では身長,体脂肪量,握力,上肢筋量,体幹筋量で有意に低下し,腰椎骨密度は有意に上昇していた(p<0.05).DLS群における経過観察2年間の脊椎アライメントに有意差はなかった.一方,両群間における経過観察2年間のそれぞれのパラメータの変化量に関して,体幹筋量は経過観察2年においてDLS群(−2.8%)で対照群(−1.1%)に比べ有意に減少した(p<0.05).
結 論:本研究からDLS群では脊椎アライメントに変化はないものの,体幹筋量が経過観察2年間で対照群に比べ,約2.5倍有意に減少していることが示された.脊椎アライメントの増悪に先行して体幹筋量が減少することが示唆された.
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