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連載 最新原著レビュー
膝前十字靱帯再建術後3ヵ月の関節水腫は再損傷と関連がある
Joint effusion at 3 months after anterior cruciate ligament reconstruction is associated with reinjury
菊池 直哉
1
,
金森 章浩
1
,
奧野 孝祐
1
,
新井 規仁
1
,
兵頭 康次郎
1
,
吉岡 友和
1
,
山崎 正志
1
N. Kikuchi
1
,
A. Kanamori
1
,
K. Okuno
1
,
N. Arai
1
,
K. Hyodo
1
,
T. Yoshioka
1
,
M. Yamazaki
1
1筑波大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Faculty of Medicine, University of Tsukuba, Tsukuba
キーワード:
joint effusion
,
ACL reconstruction
,
reinjury
Keyword:
joint effusion
,
ACL reconstruction
,
reinjury
pp.481-484
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_481
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【要 旨】
目 的:膝前十字靱帯(ACL)再建術後3ヵ月の関節水腫がACL再損傷と関連するか否かを検討することである.
対象および方法:2015~2018年にかけてACL再建術を受けた227例を対象とした.性別,手術時年齢,受傷前のTegner Activity Score,受傷から手術までの期間,半月板や軟骨の損傷の有無,2年以内のACL再損傷の発生について調査した.術後3ヵ月のMRIでACL Osteoarthritis Scoreにもとづき,grade 3を関節水腫と定義した.ACL再損傷に関連する因子を特定するために,多変量ロジスティック回帰分析を行った.
結 果:176例の患者(平均年齢22.5±9.9歳)が組み入れられた.これらの患者のうち,18例(10.2%)がACL再損傷をしていた.多変量ロジスティック回帰分析では,年齢[オッズ比(OR)0.68,95%信頼区間(CI)0.51~0.92,p=0.012],Tegner activity score(OR 3.12,95%CI 1.61~6.04,p<0.001),関節水腫(OR 34.5,95%CI 6.63~179.7,p<0.001)が独立したACL再損傷の危険因子であった.
結 論:ACL再建術後3ヵ月の関節水腫は,年齢や活動レベルなどの交絡因子とは独立したACL再損傷の危険因子の一つであった.この結果は,ACL再損傷に対する術後介入の可能性を示唆するものである.
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