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腰椎側方進入椎体間固定術後の疼痛における術前の脊柱矢状面バランスの影響
Effects of preoperative sagittal spinal imbalance on pain after lateral lumbar interbody fusion
檜山 明彦
1
A. Hiyama
1
1東海大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Tokai University School of Medicine, Isehara
キーワード:
lateral lumbar interbody fusion
,
sagittal spinal balance
,
low back pain
Keyword:
lateral lumbar interbody fusion
,
sagittal spinal balance
,
low back pain
pp.275-278
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_275
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【要 旨】
目 的:腰椎変性疾患における術前の脊柱矢状面バランスの不均衡が,腰椎側方進入椎体間固定術(lateral lumbar interbody fusion:LLIF)の術後成績に影響するかは明らかとなっていない.本研究の目的は,術前の脊柱矢状面バランスがLLIF後の疼痛改善に影響するか検討することである.
対象および方法:LLIFと経皮的椎弓根スクリュー(PPS)による脊椎固定術(前後方同時固定術)を施行した81例(男性48例,女性33例,手術時平均年齢70.2歳)を対象とした.術前の立位全長X線側面像からsagittal vertical axis(SVA)を計測し,対象患者をグループ1(n=30,SVA=129.0±53.4mm)とグループ2(n=51,SVA=30.8±23.5mm)に分類し,患者背景,手術データ,画像データを比較した.また術前後の腰痛,下肢痛,下肢しびれについて群間比較を行った.
結 果:手術時間,出血量,入院期間は両群間で有意差はなかった.LLIF後に脊柱矢状面パラメータの顕著な改善はなかった.腰痛,下肢痛,下肢しびれの疼痛スコアは術後にいずれも改善したが,両群間で有意差はなかった.
結 論:LLIFによる間接除圧では,脊柱矢状面バランスの改善は限定的であった.一方で腰痛,下肢痛,下肢しびれは,術前の脊柱矢状面バランスの不均衡に関係なく,LLIFにより改善した.
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