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CTにおけるfacet joint openingは腰部脊柱管狭窄症に対する低侵襲除圧術後の成績不良因子である
Facet joint opening on computed tomography is a predictor of poor clinical outcomes after minimally invasive decompression surgery for lumbar spinal stenosis
山田 賢太郎
1
,
豊田 宏光
2
,
中村 博亮
3
K. Yamada
1
,
H. Toyoda
2
,
H. Nakamura
3
1東京医科歯科大学整形外傷外科治療開発講座
2大阪公立大学総合医学教育学
3大阪公立大学整形外科
1Dept. of Orthopaedic and Trauma Research, Tokyo Medical and Dental University, Tokyo
キーワード:
facet joint opening
,
lumbar spinal stenosis
,
minimally invasive decompression surgery
Keyword:
facet joint opening
,
lumbar spinal stenosis
,
minimally invasive decompression surgery
pp.1017-1020
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_1017
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【要 旨】
目 的:CTにおけるfacet joint opening(FJO)は局所不安定性を示す指標として報告されているが,腰部脊柱管狭窄症(LSS)の除圧術後成績に影響するか否かの報告はない.本研究の目的は,FJOのLSSに対する低侵襲除圧術の術後成績における影響を調査することである.
対象および方法:単施設で5年以上経過観察しえたLSSに対する低侵襲除圧術を行った296例を対象とした.FJOは除圧椎間のFJO(d-FJO)および多椎間(3椎間以上)に認めるFJO(m-FJO)を調査した.d-FJOならびにm-FJOの有無で腰椎再手術および術後成績の差について検討した.
結 果:術前CTにおいて,d-FJOおよびm-FJOはそれぞれ44%,21%の症例で認めた.再手術はd-FJOの症例で有意に多かった(16% vs. 5%).多変量解析において,d-FJOは同一椎間再手術の独立した危険因子であり[ハザード比(HR)4.04,p=0.03),m-FJOは他椎間再手術の独立した危険因子であった(HR 3.71,p=0.03).m-FJO例では腰痛改善および日本整形外科学会腰痛疾患治療成績判定基準(JOAスコア)改善率が軽度劣っていた.
結 論:除圧椎間および多椎間にFJOを認める例は,慎重な手術計画および術後経過観察を要する.
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