整形トピックス
小児前腕骨折後の変形治癒に対する三次元コンピュータシミュレーションを用いたアプローチ
村瀬 剛
1
1ベルランド総合病院整形外科
pp.764-764
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_764
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小児骨折の15%を占める前腕骨折では,変形治癒に起因する前腕回内・回外制限がしばしば問題となる.前腕は,二つの骨(橈骨・尺骨),二つの関節(遠位・近位橈尺関節),骨間膜およびTFCCからなる複雑な解剖学的・機能的ユニットであることが指摘されている1).変形治癒により橈尺骨に微妙な変形が加わるだけで回内・回外可動域が制限され,食事,着脱衣,排泄,運搬,整容などのさまざまな日常生活動作に障害をきたす.単純X線像上10°以上の角度変形で有意な回内・回外制限を起こすとされるが,回旋変形や橈骨・尺骨間の骨長差が加わることで10°以下の変形でも強い可動域制限を起こす2).
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