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拡張現実技術を用いた市販型股関節ポータブルナビゲーションシステムはコンベンショナルテクニックに比べてカップ設置を正確にするか?
-――前向きランダマイズ研究
Does a commercially available augmented reality-based portable hip navigation system improve cup positioning during THA compared with the conventional technique?:a randomized controlled study
谷野 弘昌
1
,
光武 遼
1
,
高木 建一
1
,
伊藤 浩
1
H. Tanino
1
,
R. Mitsutake
1
,
K. Takagi
1
,
H. Ito
1
1旭川医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Asahikawa Medical University, Asahikawa
キーワード:
portable
,
navigation
,
augmented-reality
,
cup position
,
THA
Keyword:
portable
,
navigation
,
augmented-reality
,
cup position
,
THA
pp.182-185
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_182
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【要 旨】
目 的:股関節ポータブルナビゲーションの一つである市販型AR-Hipを側臥位人工股関節全置換術(THA)において用いること(ナビ群)によって,カップ設置がコンベンショナルテクニック(対照群)に比べて正確になるかについて前向きランダマイズ研究を行った.
対象および方法:72股をナビ群と対照群にランダムに振り分け,側臥位後方アプローチで手術を行い,カップ設置角度,Lewinnek safe zone内のカップ数,患者立脚型評価,手術時間,合併症を比較した.
結 果:カップ設置角度はカップ外転角・前開き角ともにナビ群で正確で,Lewinnek safe zone内のカップ数はナビ群で多かった.術前~術後6ヵ月の患者立脚型評価の改善や手術アプローチ~閉創の手術時間は2群間で差がなかったが,レジストレーションを含む最初の皮切~閉創の手術時間はナビ群で38分延長していた.術後合併症はナビ群で前方脱臼を1股,対照群で深部感染を1股に認めた.
結 論:カップ設置はナビ群で改善したが,その差はわずかで臨床スコアや合併症はかわらず,その臨床的有用性はまだ明らかでない.
© Nankodo Co., Ltd., 2025