喫茶ロビー
天体逍遙のロマンと醍醐味
三浦 裕正
1,2
1愛媛大学
2九州労災病院
pp.1368-1368
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_1368
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- 文献概要
遠く幼いころから星をみることが好きであった.夜空に煌めく星々を眺めながら,神秘的な感傷に浸るロマンチストの少年であった.自宅には父が購読していた宇宙関連の雑誌があり,貪るように読みつつ,星雲や銀河の美しさに惹かれていた.紙製の天体望遠鏡で月や星の観測を行いながら,宇宙に対する憧れは募り,将来は天文学者になると公言していた.それから約60年が経過し,幼い夢は実現されることもなく,たまに山あいの温泉宿に泊まった際,満天の星空を仰ぐことはあっても,天体観測をすることなど思いつきもしなかった.はたしてどういういきさつでこうなったのか,おそらく少年期の魂は心のどこかに刻印されていたのであろう.昨年から天の川などを撮影する星景写真にはまり,さらに星雲や銀河を観測する天体写真にまで燎原の火のごとく拡大していったのである.
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