一般整形外科医院で診断にいたった下肢閉塞性動脈疾患の臨床像

Clinical outcome of the patients diagnosed with peripheral artery disease

は じ め に

　米国のWilliam Oslerは今から約1世紀前に「ヒトは血管とともに老いる」との言葉を残している．脊椎・運動器疾患に携わる整形外科医は老化を背景とした疾患を扱うことが多く，患者の健康寿命のためにも末梢動脈疾患（peripheral arterial disease：PAD）の早期発見は重要である．特に下肢閉塞性動脈疾患（lower extremity artery disease：LEAD）^1）の患者は下肢の疼痛や間欠跛行を訴えて整形外科を受診することも多いので，われわれ整形外科医はPAD・LEADの存在を常に意識して日常診療に臨む必要がある．LEADは進行すると下肢虚血による足部壊死が生じ，患肢予後を低下させる．さらにLEADを有する人は有さない人と比べ心血管疾患による死亡リスクが高い^2）ので，比較的症状が軽いうちに診断ししかるべき専門医へ紹介することが求められる．

　われわれは当院で診断され基幹病院の循環器内科・血管外科へ紹介したLEAD患者の臨床像について報告する．