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【要 旨】
目 的:鏡視下腱板修復術後における腱板再断裂の危険因子に関して,suture-bridge法(SB法)とdouble-row法(DR法)で調査し,Stump分類と再断裂の関連性について検討することである.
対象および方法:2014年4月~2018年12月において,8施設で治療した腱板断裂のうち,鏡視下腱板修復術後6ヵ月時点でMRIを撮影し,かつ1年以上の経過観察をしえた326例である.男性183例,女性143例,平均年齢67.0(25~85)歳であった.腱板修復法は,SB法240例,DR法86例であった.術前の断裂サイズは,小断裂51例,中断裂172例,大断裂83例,広範囲断裂20例であった.各縫合法における再断裂の危険因子について,説明変数を年齢・性別・断裂サイズ(Cofield分類)・Stump分類・global fatty degeneration index(GFDI)・MRIにおける断裂サイズ[前後径(AP),内外側径(ML)]とした.目的変数を再断裂の有無とし,多重ロジスティック回帰分析を用いて検討した.再断裂の定義は,菅谷分類type 4,5とした.また,p<0.05を有意水準とした.
結 果:再断裂例は33例(10.1%)であった.SB法では23例(9.6%),DR法では10例(11.6%)であった.SB法では,Stump分類type 3,GFDI,断裂サイズ(AP)が再断裂に有意な危険因子であった[Stump分類type 3:odds比4.71,p=0.0246,GFDI:odds比3.87,p=0.0030,断裂サイズ(AP):odds比1.07,p=0.0077].DR法では,Stump分類type 3と年齢が再断裂に有意な危険因子であった(Stump分類type 3:odds比7.82,p=0.0348,年齢:odds比1.22,p=0.0163).
結 論:本研究では,SB法とDR法ともにStump分類type 3が再断裂の有意な危険因子であった.SB法とDR法においては,内側列のアンカー糸がIshitaniらの報告した腱板断端の評価部位にほぼ一致するため,変性が高度であるStump分類type 3が再断裂に有意に関連することが示唆された.Stump分類は再断裂を予測するうえで有用であると考えられた.
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