MRIによる腱板断端stump分類が鏡視下腱板修復術後再断裂の予測因子となる

Tendon stump type on magnetic resonance imaging is a predictive factor for retear after arthroscopic rotator cuff repair

【要　旨】

　目　的：腱板断端のMRI信号強度によりstump分類を定義した．このstump分類と鏡視下腱板修復術後の再断裂との関係性を検討することである．

　対象および方法：鏡視下腱板修復術（ARCR）一次修復例305例に対して，術前MRI T2脂肪抑制画像による腱板断端の信号強度を三角筋の信号強度と比較，分類した．再断裂要因としてstump分類，断裂サイズ，Goutallier分類，global fatty degeneration index（GFDI），断端可動性を検討項目とした．

　結　果：Stump分類タイプ1：腱断端が三角筋より低信号（黒い），タイプ2：腱断端と三角筋が同等の信号強度，タイプ3：腱断端が三角筋より高信号（白い）としたところ，再断裂と検討項目の多重回帰分析でstump分類（オッズ比4.28），GFDI（2.99），前後径サイズ（1.06）が有意に選択された．再断裂率はタイプ1が3.4％，タイプ2が4.9％，タイプ3が17.7％であった．

　結　論：タイプ3は高い再断裂率を示した．腱断端の信号強度は断端の状態を把握する重要な項目となり，stump分類は縫合方法や後療法の選択にも有用となると示唆された．