Japanese
English
問題点の検討
骨密度あるいは既存椎体骨折評価による骨粗鬆症診断の乖離
-――脊椎椎体骨折の評価は必ず行うべきである
Deviation of osteoporosis diagnosis due to young adult mean and existing vertebral body fracture among patients with surgery for spinal degenerative disease
定 拓矢
1
,
岩田 栄一朗
1
,
百田 吉伸
1
,
重松 英樹
2
,
矢島 弘嗣
1
,
田中 康仁
2
T. Sada
1
,
E. Iwata
1
,
Y. Hyakuda
1
,
H. Shigematsu
2
,
H. Yajima
1
,
Y. Tanaka
2
1市立奈良病院整形外科
2奈良県立医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Nara City Hospital, Nara
キーワード:
osteoporosis
,
vertebral fracture
,
YAM
Keyword:
osteoporosis
,
vertebral fracture
,
YAM
pp.972-973
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_972
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- 参考文献 Reference
は じ め に
わが国の原発性骨粗鬆症の診断基準は,大腿骨近位部か腰椎の二重エネルギーX線吸収法(DXA)により骨密度計測を行い,若年成人平均値(YAM)≦70%,あるいは大腿骨近位部か椎体の骨折の既往がある場合は,YAMに関係なく骨粗鬆症である1).一方,椎体骨折は臨床症状を示さない不顕性骨折の場合も多く,骨粗鬆症診断では既存椎体骨折を評価するために胸腰椎X線側面像の撮像が推奨されている2).ただし実臨床では骨密度のみによる診断も多く,骨密度と既存椎体骨折による骨粗鬆症診断の乖離を検討することは重要である.したがって本稿では,脊椎変性疾患手術患者における骨密度と既存椎体骨折に基づいた骨粗鬆症診断の関連性を調査し,文献的考察を加えて報告する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021