同一被験者において同日に行った大腿骨近位部と腰椎骨密度の差異

Difference of dual energy X-ray absorptiometry between lumbar spine and proximal femur in the same person to be tested on the same day

は じ め に

　「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」では，原発性骨粗鬆症の診断基準として大腿骨近位部か腰椎の骨密度をdual-energy X-ray absorptiometry（DXA）により計測し，若年成人平均値（young adult mean：YAM）の低いほうの値を診断に用いるとしている^1）．しかし，実臨床ではどちらか一方だけの計測となる場合も多く，その差異を検討することは骨粗鬆症の診断において非常に重要である．本稿では，同一被験者に同日に行った大腿骨近位部と腰椎YAMの差異について評価し，文献的考察を加えて報告する．