Japanese
English
臨床経験
筋生検で確認された急性傍脊柱筋コンパートメント症候群の1例
Acute Paraspinal Compartment Syndrome : A Case Report with Muscle Biopsy
酒井 洋紀
1
,
小野 豊
1
,
小林 康正
1
,
安原 晃一
1
,
米本 司
2
Hiroki Sakai
1
1長生病院整形外科
2千葉県がんセンター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Chosei Hospital
キーワード:
compartment syndrome
,
コンパートメント症候群
,
paraspinal muscle
,
傍脊柱筋
,
muscle biopsy
,
筋生検
Keyword:
compartment syndrome
,
コンパートメント症候群
,
paraspinal muscle
,
傍脊柱筋
,
muscle biopsy
,
筋生検
pp.673-676
発行日 1999年5月25日
Published Date 1999/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902721
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抄録:コンパートメント症候群は,理論上コンパートメントを有するどの筋にも発生し得る.今回急性の腰痛で発症した傍脊柱筋コンパートメント症候群の1例を経験した.初診時右腰背部に強い疼痛,圧痛と知覚低下,検査所見ではGOT,GPT,LDH,CPKの上昇がみられミオグロビン尿もみられた.MRIでは右の傍脊柱筋にT2強調像にて高信号の輝度変化がみられた.筋生検病理組織は阻血性の変化を示した.保存的に経過を観察したところ,2週間で血液データも正常となり疼痛も軽快し,発症後8カ月後のMRIでは異常所見はみられなかった.急性の傍脊柱筋コンパートメント症候群の報告例は少なく,われわれの渉猟し得た範囲では2例のみであり,いずれも保存的加療にて治癒している.急性の腰痛を来した症例を観察する際,本症例の存在も念頭に置き診断を進めることが肝要であり,治療としては保存的加療にて十分であると考えられた.
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