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脊柱変形up-to-date Ⅲ.成人脊柱変形
2.診断
成人脊柱変形における手術での矢状面アライメントの目標値
Target values of sagittal alignment in spinal fusion surgery for adult spinal deformity
大内田 隼
1
,
中島 宏彰
1
,
伊藤 定之
1
,
世木 直喜
1
,
山内 一平
1
,
今釜 史郎
1
J. Ouchida
1
,
H. Nakashima
1
,
S. Ito
1
,
N. Segi
1
,
I. Yamauchi
1
,
S. Imagama
1
1名古屋大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Nagoya University School of Medicine, Nagoya
キーワード:
sagittal alignment
,
adult spinal deformity
,
spinal fusion
Keyword:
sagittal alignment
,
adult spinal deformity
,
spinal fusion
pp.95-99
発行日 2025年4月20日
Published Date 2025/4/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_besei87_95
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は じ め に
成人脊柱変形(adult spinal deformity:ASD)は主に加齢に伴う脊椎の変性変化により,脊柱アライメントに変化(矢状面・冠状面)が生じる疾患である.一般的には加齢によりまず腰椎前弯の減少が生じると,続いて胸椎前弯化,骨盤後傾,頚椎前弯化といった脊椎骨盤での代償性アライメント変化が生じ,進行期では膝関節の屈曲も脊柱のアライメント代償に動員される.“cone of economy” の概念は,Duboussetによって提唱された足部から頭蓋骨までのアライメント連鎖により,最小の円錐内での動揺と最小の筋エネルギーで立位姿勢が維持される概念である1).この視点は,ASD患者における脊柱矢状面のアライメント変化が,脊椎の症状にとどまらず患者の生活の質(QOL)に大きく影響を与える多くの研究の裏づけとなるものである.
ASDの病態は進行性であり,薬物療法や装具療法など保存療法が無効な症例には,適切なアライメント獲得を目的とした手術療法が適応となる2).本稿では,ASDに対する手術で目標とすべき矢状面アライメントの設定やその限界について,これまで研究されてきた基準値を参照し考察する.

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