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腰部脊柱管狭窄症に対する理学療法の介入頻度が治療効果に及ぼす影響
Therapeutic advantages of frequent physical therapy sessions for patients with lumbar spinal stenosis
峯玉 賢和
1
M. Minetama
1
1和歌山県立医科大学附属病院紀北分院脊椎ケアセンター
1Spine Care Center, Wakayama Medical University Kihoku Hospital, Wakayama
キーワード:
physical therapy
,
exercise
,
lumbar spinal stenosis
Keyword:
physical therapy
,
exercise
,
lumbar spinal stenosis
pp.905-909
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_905
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【要 旨】
目 的:腰部脊柱管狭窄症(LSS)に対する理学療法の治療回数が治療効果に及ぼす影響を明らかにすることである.
対象および方法:前向き研究とランダム化比較試験,二つの研究を後ろ向きに解析した.すべての患者は,6週間の運動療法を実施し,43例は監視下での理学療法を週2回(P2群),38例は週1回(P1群),43例はホームエクササイズ指導のみ(HE群)を受けた.調査項目は,チューリッヒ跛行質問票(ZCQ),腰痛,下肢痛,下肢しびれのnumerical rating scale(NRS),日本整形外科学会腰痛評価質問票(JOABPEQ)とし,治療前と6週後に評価した.
結 果:6週後,P2群はP1群に比べ,ZCQ身体機能,腰痛,下肢痛のNRSで有意な改善を示し,さらにHE群に比べ,ZCQ重症度,身体機能,腰痛,下肢痛のNRS,JOABPEQ歩行機能障害で有意に改善した(p<0.05).P1群とHE群では,6週後のアウトカムに有意差はなかった.
結 論:週2回6週間の理学療法は,週1回もしくはホームエクササイズ指導のみよりも腰痛,下肢痛,身体機能において有意な改善が得られた.LSSに対する運動療法の効果を最大限に得るためには,監視下で集中的な運動療法を行うべきである.
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