Japanese
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特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅵ.疾患とロコモ
13.骨粗鬆症性椎体骨折と体幹筋力
Correlation between osteoporotic vertebral fracture and trunk muscle strength
加藤 仁志
1
,
出村 諭
1
,
土屋 弘行
1
S. Kato
1
,
S. Demura
1
,
H. Tsuchiya
1
1金沢大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Kanazawa University, Kanazawa
キーワード:
osteoporotic vertebral fracture
,
trunk muscle strength
,
abdominal core muscle
Keyword:
osteoporotic vertebral fracture
,
trunk muscle strength
,
abdominal core muscle
pp.708-710
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_708
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は じ め に
骨粗鬆症性椎体骨折(OVF)は,急性期には骨折による急性疼痛を生じるが,慢性期においても脊柱変形や慢性腰痛の原因となり,長期的にも生活の質(QOL)や運動能力を低下させる.脊柱後弯を生じる病態であるため,以前より骨粗鬆症性脊椎における背筋力との関連や,運動療法としての背筋訓練の有用性を示した研究が数多く報告されている.一方,われわれは慢性腰痛やロコモティブシンドローム(ロコモ)に対する運動療法の新たな試みとして,腹部体幹筋のトレーニング器具を開発した[RECORE(リコア):日本シグマックス社,東京](図1).この器具を用いた体幹筋訓練は,坐位で体幹を動かすことなく,一方向性のストレスを胸腰椎にかけることなく実施できるため,腰痛や骨脆弱性を有するOVF例でも慢性期であれば無理なく使用できる.また,この器具は腹部体幹筋力を測定でき,当科では臨床研究でさまざまな検証を行ってきた.本稿では,OVFと体幹筋(主に背筋)との関連を示した過去の優れた研究をレビューし,新たな視点として横隔膜や骨盤底筋も含む腹部体幹筋に着目したわれわれの研究を紹介する(本稿のデータは先行研究1)を一部改変したものを用いている).
© Nankodo Co., Ltd., 2021