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は じ め に
近年,終板を貫通するように椎弓根スクリュー(pedicle screw:PS)を設置する終板貫通スクリューであるtransdiscal screw(TDS)の報告が散見される1).本手技は1994年にAbduらにより報告された経椎弓根的椎体間固定術(pedicular transvertebral fixation:PTSF)を応用した手技である2).PTSFではS1椎弓根から刺入したスクリューをS1上位およびL5下位終板を貫通させるかたちで挿入し,L5-S1間を直接固定する.
TDSでは皮質骨である終板を貫通し,できるだけ長いスクリューを挿入するため,従来のPSと比較しスクリューのpull outや弛みに対する抵抗性が増すと考えられている3).Wuらは腰椎に経皮的TDSを使用することで,侵襲性や医療コストの面で多くの臨床的利点があると報告した4,5).
近年では,びまん性特発性骨増殖症(DISH)を伴う脊椎骨折に対してTDSの一つであるdouble endplates penetrating screw(DEPS)の手技が報告され,その有用性が知られる6,7).
脊椎手術においては最小侵襲脊椎安定術(minimally invasive spine stabilization:MISt)を含めた手術手技の発展も一つであるが,術中CTナビゲーションを用いたコンピュータ支援整形外科手術も現在のMISt手技にはなくてはならない.透視を用いた従来のTDSの挿入では細かくプローブの挿入角を調整する必要があることから,透視被曝の問題も考慮し,正面像や側面像を確認するため2台併用下のスクリュー挿入が望ましいといわれていた6).
一方で術中CTナビゲーションを用いるとポイントレジストレーションが不要となり,リアルタイムナビゲーション下に正確かつ安全に経皮的スクリューの挿入が行える.また術者の医療被曝が0になったことが特に大きい.
そこで本稿では,われわれが行っている術中CTナビゲーションを用いたpercutaneous TDS(PTDS)法について症例をふまえ報告する.
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