Japanese
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経験と考察
ポータブルナビゲーションシステムを使用した人工膝関節全置換術における指導医と若手医師のアウトカムの比較
Comparative studies on outcomes and component positioning of the total knee arthroplasty with the use of portable navigation devices between supervised trained surgeons and a supervisor
渡邉 泰貴
1
,
桂川 陽三
1
,
宮本 恵成
1
,
後藤 和海
1
Y. Watanabe
1
,
Y. Katsuragawa
1
,
Y. Miyamoto
1
,
K. Goto
1
1国立国際医療研究センター病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., National Center for Global Health and Medicine, Tokyo
キーワード:
TKA
,
navigation
,
KneeAlign2
,
hip-knee-ankle angle
,
Knee Score
Keyword:
TKA
,
navigation
,
KneeAlign2
,
hip-knee-ankle angle
,
Knee Score
pp.855-857
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_855
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は じ め に
人工膝関節全置換術(TKA)は世界中で行われており,良好なアウトカムが得られている1,2).また,TKAは末期の変形性膝関節症(OA)に対してコストパフォーマンスの高い治療である3).しかし,初回TKAのおよそ20%の患者はそのアウトカムに満足していないとされている4).TKAのアウトカムは術者や病院の症例数を含めた多くのファクターの影響を受ける5~7).術者の経験による手術のアウトカムを比較した論文は多数散見される7~10)が,それらは患者間で比較した論文であるため,筋力や解剖学的特徴また疼痛感受性の違いなどの患者因子が結果に及ぼす影響については不明瞭である.われわれはこの患者因子を最小限にするため,両側TKAを受けた同じ患者の左右で比較するのがもっとも適切であると考えた.
KneeAlign2(Zimmer Biomet社,Warsaw)は手術時に膝にとりつけ,上下左右に動かすことで,内蔵の慣性計測装置が骨の軸を把握し適切な骨切り角度を割り出す,TKA用ポータブルナビゲーションシステムである.これにより従来法より正確な角度の骨切りを可能にすると考えられている13).術後のhip-knee-ankle angle(HKA)が180°±3°であれば良好な長期成績が得られるとされている14).
本研究の目的は,TKAにポータブルナビゲーションシステムを用いた場合の指導医と若手医師の手術時間や術後の機能的アウトカム,インプラント設置の正確性を比較・検討することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2020