Japanese
English
創意と工夫
胸腰椎移行部前方固定における開大型ケージの偏在設置の有効性
The usefulness of the expandable cage replaced at the periphery of the thoracolumbar vertebral endplate in anterior reconstruction
奥脇 駿
1
,
辰村 正紀
1
,
江藤 文彦
1
,
山崎 正志
2
S. Okuwaki
1
,
M. Tatsumura
1
,
F. Eto
1
,
M. Yamazaki
2
1筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター水戸協同病院整形外科
2筑波大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg. and Sports Medicine, University of Tsukuba Hospital Mito Clinical Education and Training Center, Mito Kyodo General Hospital, Mito
キーワード:
thoracolumbar vertebral fracture
,
circular expandable cage
,
anterior reconstruction
Keyword:
thoracolumbar vertebral fracture
,
circular expandable cage
,
anterior reconstruction
pp.449-453
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_449
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は じ め に
骨粗鬆症患者では軽微な外傷によって椎体の骨折が生じ,結果として脊柱変形や不安定性が残存することが多い.変形や不安定性に起因した神経症状や後弯変形が進行する際には保存的治療では対応しきれないことがある.当院では骨欠損の大きい胸腰椎の椎体骨折に対し,前弯矯正力が得られ矢状面のアライメントの矯正および間接的な脊柱管除圧も行えるため開大型ケージを使用した前方支柱再建と後方固定を行っている.近年,高齢者のglobal alignmentに着目した脊柱再建法が重要とされており,左右両側の椎体骨端輪に接触する長方形エンドキャップを用いたケージが普及してきているが,体格の小さい日本人高齢女性において特に胸椎や上位腰椎の椎体置換としては大きすぎるため,使用できない症例も散見される.
われわれは,椎体中央ではなく力学的強度が高いとされる片側の椎体骨端輪と接触するように円形エンドキャップの開大型ケージを偏在性に設置し,術後のケージの沈下や終板損傷を軽減させる工夫をした.
© Nankodo Co., Ltd., 2020