Japanese
English
スポーツ医学
中学生男子サッカー選手における踵部脂肪褥の特徴
-――蹴り脚と軸脚間での比較
The characteristic of heel fat pad in junior youth soccer football players
前道 俊宏
1
,
筒井 俊春
1
,
飯塚 哲司
2
,
鳥居 俊
2
T. Maemichi
1
,
T. Tsutsui
1
,
S. Iizuka
2
,
S. Torii
2
1早稲田大学大学院スポーツ科学研究科
2早稲田大学スポーツ科学学術院
1Graduate School of Sport Sciences, Waseda University, Tokorozawa
キーワード:
soccer
,
heel fat pad
,
microchamber layer
,
macrochamber layer
,
real-time tissue elastography
Keyword:
soccer
,
heel fat pad
,
microchamber layer
,
macrochamber layer
,
real-time tissue elastography
pp.879-882
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_879
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は じ め に
踵骨下に存在する脂肪組織は,踵部脂肪褥,heel fat padと呼ばれており,主な役割として,足底部への衝撃を吸収するshock absorberとしての機能があげられる1,2).踵部着地の際に衝撃が加わることで,隔壁のあるコラーゲン袋の中で脂肪の粒が拡散し,それらの中隔が変形することで衝撃が吸収されると考えられている3,4).
サッカーは非対称性動作競技の一つであり,ボールを蹴る蹴り脚と,蹴る際に体重を支える軸脚にわけられる.脚の使用用途が異なることから,軸脚と蹴り脚それぞれに加わる負荷にも差異があることが予想される.また,踵部へ加わる衝撃への適応として,踵部脂肪褥構造(厚さ,硬度など)が変化することが報告されている5,6).サッカー特有動作であるインステップキック動作時に,軸脚には通常歩行の6~9倍の負荷が加わっている7)とされており,踵部に加わる負荷や頻度の差異から,サッカー選手の踵部脂肪褥構造に左右差が生じていることが考えられる.
そこで本研究では,中学生サッカー選手における踵部脂肪褥厚と踵部脂肪褥硬度に着目し,蹴り脚と軸脚間での左右差を検討することを目的とした.
© Nankodo Co., Ltd., 2019