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椎間板細胞を用いたWntシグナルによるCCN2の機能解析
CCN family member 2/connective tissue growth factor(CCN2/CTGF)is regulated by Wnt-beta-catenin signaling in nucleus pulposus cells
檜山 明彦
1
A. Hiyama
1
1東海大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Surgical Science, Tokai University, School of Medicine, Isehara
キーワード:
intervertebral disc degenerarion
,
Wnt signal
,
CCN family member 2/connective tissue growth factor(CCN2/CTGF)
Keyword:
intervertebral disc degenerarion
,
Wnt signal
,
CCN family member 2/connective tissue growth factor(CCN2/CTGF)
pp.472-476
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_472
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【要 旨】
目 的:椎間板におけるWntシグナルとCCN2のシグナルメカニズムは不明であり,変性過程の関与が示唆される.本研究ではWntシグナルによるCCN family member 2/connective tissue growth factor(CCN2/CTGF)の分子学的解析を目的とした.
対象および方法:Sprague-Dawleyラット(n=32,11週齢)から採取した椎間板組織や細胞を用い実験を行った.まず組織中のCCN2発現を調査した.その後WntシグナルによるCCN2の転写活性を測定した.またWntシグナルによるCCN2発現にMAPKシグナルが関与するか調査するため,MAPKのインヒビターを添加しCCN2の転写活性や遺伝子,蛋白発現について解析した.
結 果:髄核や線維輪細胞ともにCCN2の遺伝子が高発現していた.Wntの活性化はCCN2転写活性を有意に減少させた.逆にWntの抑制はCCN2転写活性を上昇させた.CCN2転写活性の減少はMAPKインヒビターの添加によってさらに抑制された.この結果は,遺伝子や蛋白解析でも同様な結果であった.
結 論:本研究から髄核細胞ではWntシグナルがMAPKシグナルを介し,CCN2発現を調節していることが明らかになった.WntシグナルとCCN2との発現調整にMAPKシグナルが関与していたことから,椎間板変性に対する治療標的になる可能性が示唆された.
© Nankodo Co., Ltd., 2019