Japanese
English
経験と考察
頭蓋頚椎移行部の転移性脊椎腫瘍に対する手術例
Surgical results for metastatic spinal tumor at the craniovertebral junction
小林 賢司
1
,
安田 剛敏
1
,
鈴木 賀代
1
,
川口 善治
1
,
関 庄二
1
,
木村 友厚
1
K. Kobayashi
1
,
T. Yasuda
1
,
K. Suzuki
1
,
Y. Kawaguchi
1
,
S. Seki
1
,
T. Kimura
1
1富山大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Faculty of Medicine, University of Toyama, Toyama
キーワード:
metastatic spinal tumor
,
craniovertebral junction
,
surgery
Keyword:
metastatic spinal tumor
,
craniovertebral junction
,
surgery
pp.407-410
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_407
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は じ め に
頭蓋頚椎移行部(craniovertebral junction:CVJ)とは,頭蓋(脳)と頚椎(脊髄)の移行部である.骨としては頭蓋底部,第1頚椎(環椎,C1)および第2頚椎(軸椎,C2)から構成され,骨を取り囲むように脳や脊髄の神経組織,椎骨動脈,靱帯,関節が隣接している.そのため,疾患の局在により多彩な症状を呈し,診断や治療の際には慎重な対応が必要である.
悪性腫瘍では13~75%の頻度で脊椎転移をきたしうるが1),CVJへの転移は全脊椎転移の0.5%ときわめてまれである2).解剖学的特徴と隣接した組織の特徴より,発症の際には生命予後に影響するほど重篤になりうる.しかし,まれなゆえにその管理や治療に関しては一定の見解がない.
本研究では,当科で手術を施行したCVJへの転移性脊椎腫瘍例の臨床的特徴,手術法,治療経過を検討し,治療方針の決定に資することを目的とした.
© Nankodo Co., Ltd., 2019