Japanese
English
症例報告
頭蓋頚椎移行部における脊髄損傷―2例報告
Spinal Cord Injury at the Craniovertebral Junction : Report of 2 Cases
矢吹 省司
1
,
菊地 臣一
1
,
高須 誠
2
,
古月 顕宗
2
Shoji Yabuki
1
1福島県立医科大学医学部整形外科
2会津中央病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical University, School of Medicine
キーワード:
spinal cord injury
,
脊髄損傷
,
craniovertebral junction
,
頭蓋頚椎移行部
,
atlanto-occipital dislocation
,
環椎後頭骨脱臼
Keyword:
spinal cord injury
,
脊髄損傷
,
craniovertebral junction
,
頭蓋頚椎移行部
,
atlanto-occipital dislocation
,
環椎後頭骨脱臼
pp.763-766
発行日 2002年6月25日
Published Date 2002/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903578
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抄録:頭蓋頚椎移行部の脊髄損傷では死亡例が多いため,その高位の脊髄損傷によって発現する症状や他覚所見は不明な点が多い.今回,頭蓋頚椎移行部の脊髄損傷の2例を経験したので,その症状と他覚所見を中心に報告する.症例1は24歳の女性である.スノーボードで滑走中に,木に激突して受傷した.環椎後頭関節の前方,垂直脱臼に伴う脊髄損傷であった.受傷直後は自発呼吸が認められた.症例2は76歳の女性である.交通事故で受傷した.Os odontoideumに伴う環軸関節不安定症が存在したところに,外傷が加わって発症した脊髄損傷であった.耳介後部から後頭部,下顎部の異常知覚のみが認められた.頭蓋頚椎移行部の脊髄損傷には意識障害や他臓器損傷を合併することが多く,見逃される可能性が高い.この高位での脊髄損傷による特徴的な知覚障害の存在は,高位の脊髄損傷の診断に役立つ.
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